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企業におけるエンジニアリングにAIを素早く導入するために必要だった姿勢

2025-04-06


最近、CursorやDevinのような、プログラミングにAIの力をもたらすツールが流行している。当初は個人のアーリー層が中心だったが、最近では企業も本格的に取り組み始め、その成果を発表するケースが増えてきた。

表題の「必要だった」とは、今もう必要でないということではなく、今の時点でそういうAI活用に取り組めている企業はきっとそうだったのだろう、我々はそうでなかったからそこにいないのだろう、ということ。

金銭コストだけが問題ではない

AIを導入する際、「お金がかかる」という点が話題になりがちだ。確かに金銭コストも重要な要素ではあるが、実はそれだけが障壁ではない。もっと根本的な問題がある。

やるべきことを真面目にやっているか

流行りの兆しを見つけて取り組む意欲があったとしても、足元の障壁がバラバラ残っていると、結局トレンドに振り払われてしまう。重要なのは、普段からエンジニアリングのあるべき形を実践しているかどうかだ。例えば:

  • リポジトリにDBのパスワードのような秘匿情報をコミットしないを真面目にやっている
  • ユニットテストが充実していて、AIが生成したコードの妥当性を自信を持って判断できる
  • 要件定義やドキュメント化の能力が鍛えられており、AIへの適切な指示やフィードバックができる

こうした基本的なことができていないと、AIのような新しい技術をスムーズに導入できる機動性を維持するのは難しい。重要なのは「既存のエンジニアリングがAIを用いた開発に耐えうる構造になっているか」という点だ。

急に回ってきた代打で結果を出せるのは、出番がなかったとしても基礎練習を怠らなかった奴だろう。

気持ち

エンジニアリングとAIの本質を考える中で、自分が所属する組織を盛り上げて押し上げる行動をもっとしなければならないと感じる点が多々あった。必ずしも潤沢な資金が必要なのではなく、日々より良いエンジニアリングを追求し続けることと、それが当たり前の文化になるような流れを作ることだ。

AI時代においても、結局は地に足のついたエンジニアリングがすべての基盤となる。現在地から一歩で理想の状態に到達しようとするとうまくいかない。普段からやるべきことをやっておいて、いざ祭が始まればすぐ参加できるような姿勢を取り続けることが、長期的にはトレンドに乗る最良の方法だと再認識した。

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